民泊のリアルな数値検証してみた!

ホテル・別荘の設計・建設・運営ノウハウ

奄美大島で貸別荘を運営した結果、自分自身で体験したことをみなさんにも共有して実行することで、学びを深めていけたらと思っています。現在、稼働率や客単価、競合の増加など、さまざまな課題に直面します。本記事では、2021年から2023年にかけての運営データを基に、現状分析を行い、他の貸別荘オーナーにも役立つ具体的な対策を提案します。施設の稼働率や売上、客単価のバランスを取りながら、より多くの顧客を引き寄せ、満足度を向上させる方法を探っていきます。

現状分析

  1. 売上の増加 2021年から2023年にかけて、売上は着実に増加しています(472万円 → 500万円 → 622万円)。これは、施設運営が成功している証と言えますが、注意が必要なのは、売上が増加しているにもかかわらず、稼働率が低下している点です。
  2. 客単価の上昇 客単価は大幅に上昇しています(67,507円 → 78,190円 → 94,389円)。高単価な顧客層をターゲットにすることで、売上が増えていますが、同時に宿泊する1組あたりの客数が減少しています(2.8人 → 2.7人 → 1.9人)。
  3. 稼働率の低下 なす邸の稼働率は、40%から19%まで低下し、たまり邸を追加した後も20%から19%と、停滞が続いています。特にオフシーズンや閑散期における利用促進が課題となっています。

稼働率低下の原因分析

1. 競合増加の影響

奄美大島の佐仁集落では、競合が1件から3件に増えたことで、顧客が分散しています。さらに奄美大島全体でも、数多くの宿泊施設がオープンしています。このような競争環境の中では、他の施設と差別化を図ることが重要です。特に、地域全体の魅力を向上させる施策や、他の施設にはない独自の体験やサービスを提供することで、顧客に選ばれる施設となる必要があります。

2. アクセスの問題

ピーチ航空の便が変更され、大阪便の消失など交通アクセスが悪化しています。この問題に対しては、送迎サービスやレンタカーの割引サービスを提供することで、顧客の移動の負担を軽減し、アクセスの不便さを補うことができます。ただし、奄美大島の入込客数はコロナ前の93%まで戻ってきています。ピーチ便が不便になったとしても、人は来ているので、施設自体に問題点が隠されている可能性があります。

稼働率と客単価のバランス調整

1. 客単価アップの影響

客単価を上げたことで、稼働率は維持されましたが、1組あたりの客数が減少しました。これにより、ターゲット層がより高級志向の少人数旅行者にシフトしていることが考えられます。この層を引き続きターゲットにしつつ、手軽な価格帯のプランも併設して、幅広い層に対応することが必要です。

2. 複数の価格帯プランの導入

高単価な顧客をターゲットにしたプランだけでなく、オフシーズンや平日向けの割引プランや「期間限定プラン」を導入することで、稼働率を改善することが可能です。これにより、宿泊の敷居を下げ、さまざまな層に対応することができます。

マーケティングとターゲット層の見直し

1. 競合との差別化

競合が増える中で、施設の差別化を図るためには、単に宿泊を提供するだけでなく、「特別な体験」をマーケティングの軸に据えることが有効です。奄美大島の自然や文化を活かした体験型の宿泊プランを打ち出し、自然愛好家やリモートワーカーにアピールしましょう。

2. SNSやデジタル広告の活用

若年層や旅行愛好者をターゲットに、SNSや動画マーケティングを活用することが効果的です。特に、InstagramやYouTubeなど、視覚的に訴求力のあるプラットフォームで奄美大島の魅力を発信し、リーチを広げることが重要です。

地域との連携強化

1. 観光施設やイベントとの連携

地域の観光施設やイベントと提携し、観光客に一貫した体験を提供することで、宿泊の魅力を高めます。たとえば、地元の食材を使った料理体験や地域の祭りへの参加を宿泊パッケージに含めることで、特別な滞在を提供できます。

2. 地域全体の観光資源の活用

地元の観光資源と連携することで、観光客が滞在中に多様な体験をできるようにします。例えば、地元のアクティビティ業者とパートナーシップを組み、宿泊者に特別価格で体験を提供するなどの施策が有効です。

今後の対策案

1. 稼働率改善策

1.1. オフシーズン向けキャンペーン

稼働率が低下するオフシーズンには、割引キャンペーンや特典を導入することが有効です。たとえば、期間限定で宿泊料金を下げたり、長期滞在で割引を提供することで、閑散期の集客を強化します。

1.2. ワーケーションやリモートワークプランの強化

奄美大島の自然環境を活かし、ワーケーションやリモートワーク向けの長期滞在プランを導入します。これにより、特に平日の稼働率を向上させ、リモートワーカー層をターゲットにした新たな市場を開拓できます。

1.3. 地域特化型プランの導入

地域の魅力を体験できる宿泊プランを提供します。たとえば、シュノーケリング、星空観賞ツアー、郷土料理体験などを含む特別なプランを提供することで、リピーターを増やすことができます。

2. 客単価を維持しながらの集客

2.1. 高付加価値の体験型サービスの導入

高単価の顧客を引き続きターゲットにしつつ、滞在中に追加の体験型サービスを提供することで、顧客満足度を向上させます。たとえば、ダイビングや島の文化体験、プライベートディナーなど、他にはない特別な体験を提供することで、付加価値を高めます。

2.2. ターゲット層の拡大

高単価の顧客層だけでなく、ミドルクラスの顧客層をターゲットにしたプランを導入します。宿泊料金を抑えつつ、オプションで体験やアクティビティを提供することで、幅広い層にアプローチできます。

3. 客数の増加策

3.1. 家族やグループ向けのプロモーション

家族連れやグループ向けの特別プランを用意します。たとえば、ファミリープランやグループ割引を導入し、幅広い層に対応します。これにより、特に夏休みや連休の稼働率を向上させることができます。

3.2. ペット同伴プランの導入

ペット同伴で旅行する顧客層が増えているため、ペット同伴可能な宿泊プランを提供し、新たな市場を開拓します。これにより、他の施設との差別化も図れます。

4. 施設の魅力向上策

4.1. 施設のリニューアルや設備改善

顧客満足度を高めるために、施設のリニューアルや特別な設備の導入が効果的です。たとえば、プライベート感を重視したバルコニーやアウトドア用の設備(プライベートバーベキュー設備など)を設置することで、顧客に特別な体験を提供できます。特に、長期滞在や高単価顧客をターゲットにした「非日常感」を重視した改装が有効です。

4.2. 特別なイベントやアクティビティの提供

季節ごとのイベントや地域の祭りと連携した宿泊プランを導入することで、顧客にとっての滞在価値を高めます。たとえば、地元の食材を使った料理教室や、地域の歴史を学ぶ体験ツアーを宿泊パッケージに組み込むことで、観光客にユニークな体験を提供します。また、地域の文化や自然を活かした体験は、リピーターの増加にもつながります。

4.3. 口コミとレビュー管理の強化

顧客からのフィードバックを積極的に収集し、改善点を迅速に反映することで、高評価を維持できます。特に、口コミサイトや予約サイトでのレビューを活用し、高評価を得ることで、新規顧客の獲得につながります。口コミを見た他の潜在顧客に「信頼感」を与えることが、今後の稼働率向上に直結します。

5. 予約促進のデジタル施策

5.1. リピーター割引や紹介プログラム

既存顧客のリピーター化を促進するために、リピーター向けの割引や特典を提供するプログラムを導入します。また、紹介プログラムを通じて、既存顧客が友人や知人を紹介すると、両者に特典を付与することで、口コミによる新規顧客獲得が期待できます。これにより、顧客ロイヤルティを高め、長期的な収益増加が可能となります。

5.2. SNSキャンペーンの活用

InstagramやFacebookなどのSNSで、宿泊施設の写真や動画をシェアしてもらうと、割引や特典が受けられるキャンペーンを実施します。特に、視覚的に魅力的なコンテンツを通じて、他の潜在顧客にリーチできるため、オンラインでの集客力を向上させることができます。

5.3. デジタルマーケティングの強化

Google広告やFacebook広告などを活用し、ターゲット層に対して効率的な広告配信を行うことで、宿泊予約を促進します。また、デジタルマーケティングにおいては、顧客の属性(家族旅行者、リモートワーカー、自然愛好者など)に応じたターゲティング広告を展開することで、リーチを拡大できます。

6. アクセスの改善

6.1. 交通手段のサポート

ピーチ航空の便の時間帯が変更されたり、大阪便が減少したことでアクセスが不便になった問題に対応するため、空港から宿泊施設への送迎サービスを導入することが有効です。さらに、レンタカーサービスと提携し、宿泊者が割引を受けられるプランを提供することで、交通の不便さを解消し、アクセスの利便性を高めることができます。

ただし、運営に要する人件費も考慮し、費用対効果のあるアイデアを優先すべきです。

6.2. オンラインアクセスガイドの強化

公式ウェブサイトや予約時の案内メールで、詳細なアクセスガイドを提供します。地図や交通機関の利用方法を分かりやすく案内することで、特に初めて訪れる顧客に対して不安を解消し、スムーズな移動をサポートします。また、アクセスに関する質問を自動応答できるLINEチャットボットを導入し、リモートでも迅速なサポートを提供することも有効です。

7. パートナーシップの強化

7.1. 観光施設や他の宿泊施設との連携

地元の観光施設や他の宿泊施設と連携し、相互に顧客を紹介し合うことで、集客力を向上させます。特に、繁忙期に予約が取りづらい施設からの紹介や、地域の観光施設とのパッケージ化は、集客の新たなチャンスを生み出します。

7.2. 地元アクティビティ業者との提携

ホエールウォッチングやパラセイリング、地元ならではの自然体験を提供しているアクティビティ業者と提携し、宿泊者向けに特別割引を提供することで、付加価値を高めます。これにより、宿泊だけでなく、旅行全体の体験価値が向上し、滞在時間の延長やリピート訪問につながります。

まとめ

奄美大島での貸別荘運営は、売上や客単価の増加が確認できる一方で、稼働率の低下や競合の増加、アクセスの問題といった課題にも直面しています。しかし、これらの問題に対して適切な施策を講じることで、安定した運営が可能です。施設の魅力を最大限に活かし、稼働率を改善しながら、付加価値の高い体験型サービスリモートワーク需要を取り込むことで、他の競合との差別化を図ることが重要です。

顧客満足度を高め、リピーターを増やしながら、地域との連携やデジタルマーケティングの活用によって持続可能な成長を目指しましょう。

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